あの時と同じような 風が吹いた/あらしアルバムレビュー#5

さっさとARASHICレビューをやりたいのでどんどこ行くよ!第5弾でございまーす。とうとうこれを聞かなければいけない日が来たか…(ゴクリ)。というのもこのアルバムが嫌いなわけでは断じてなく、「エモすぎて泣くから聞けない」という至極厨な理由によります。画面の向こうのあらしヲタの皆さんは解って頂けるはず!とにかくとにかく、デビュー〜4thまで散々モチーフにされてきたあらしお得意の甘酸っぱさ切なさの集大成のようなアルバムです。青春の切なさに慟哭したい人におすすめ(居るのか)。ちなみに私は青春を疑似体験するのが大好きですワッハッハ!一般的に見たらたぶん今も青春中だけど私の青春ヌルいからさ!じゃあ行きますー。独断と偏見なのでご了承。間違いは正しますのでご指摘下さいまし!
第一弾「ARASHI No.1 -嵐は嵐を呼ぶ-」篇:id:kt529b:20070831:1188492398
第二段「HERE WE GO!」篇:id:kt529b:20071013:1192276104
第三弾「How's It Going?」篇:id:kt529b:20071023:1193130731
第四弾「いざッ、Now」篇:id:LOVEMACHINES:20080206:1202290691

One(通常盤)

One(通常盤)

仮説に過ぎませんが、きっと4thの青春な感じを引き継いでるのがこれで、サブカルな部分を引き継いでるのが6thあらしっくなんじゃないかな、と。いやーJストのどこが凄いかって、ガラッと180度違うカラーにはしないところだよなーって最近勝手に感心してました。前作の結果を受けて、更に磨き上げた上でヲタにも飽きられないようにマイナーチェンジを施しつつ、一般層からのイメージも重視し大まかなキャラ付けは変えない*1、と。まるでグラデーションのように流動して、気が付いたら「うわっ全然違うことやってんじゃん!」みたいな。そういう戦略があるんじゃねーかなJスト。いや知らんけど。あれ、アルバムの話から相当ズレた。
そんでこのアルバムですね。まずアートワークがもう素晴らしいの一言。これどこのバンドのジャケですかwwwとも言いたくなるオシャレ仕様です!未だかつてポラロイド写真をジャケ写に使ったアイドルは居るか!否っ!!!そして基調となっている深い青緑がまた、このアルバムにピッタリなんですよね。いいなぁこのジャケットすごい良いなぁ!!!
肝心の中身はというと、特典トラック抜かすと全13曲、しかしこの中の5曲はソロの為*2、実質グループの曲は8曲。このコンパクトさがコンセプトを*3際立たせているんじゃないかと予想。流れで聞くと、まるでコンサートを1公演観たような美しい起伏を感じます。はい、では1曲ずつ感想。

#1「Overture」

Overtureという名の通り、5人のマイクリレーによる短いイントロダクションです。すごい滑らかで、良い意味で力が抜けていて素晴らしい出来。2nd収録「ALL or NOTHING」から成長したなぁ…大人になったなぁ…とリアルタイムで追ってもいないのにしみじみします。派手ながら上品なベース&ホーン使いに中堅の余裕を感じるぜ。青葉のような煌めきと朝日のような穏やかさが内包されている名曲。曲…ってほどでもないのかな?勿論ラップは櫻井作です!「1 2 5君で/3 4がない/right?」の含意や如何に。この辺りからサクラップがどんどん詩的になってる…!

#2「夏の名前

こんなキラーチューンをこんな位置に!やはりJストは本気だった!嵐×(具体的な別れの歌詞+ピアノ、ストリングの切なさを煽るアレンジ)=鉄板!!!!!この方程式テストに出るよ!!!鈴のように軽やかなさとしソロ始まりでさー、Bメロでチャチャン!ってドラムが入ってくるとかベタですよそりゃあベタですよ、しかし何故ベタになるかって、それが良いからじゃないか!!!!ダメだ泣く。こんな体験1ミリもしたことない、これからもする予感なんて微塵もしないのに感情移入して泣ける!!!っていうかこれ歌詞のシチュエーション結構解釈の余地がありそうな。っていうか、好きなのになんで別れてんだよおおおバカアアア!!!ってほんと鉄板シチュエーションだよね…!そして櫻井大先生のエモラップがまたも大爆発!「季節もされど/僕も青い」←これ!!!!これがハタチそこそこの男子から出てくる語彙ですか!!!!こういう系統のサクラップはほんとなんかの文学賞に応募した方が良いんじゃないかと本気で思うよ。

#3「ROMANCE」

最初聞いた時は「なんじゃこのキンキB〜Cアルバムなメロディはー!」と衝撃を受けたものの今聞くとそうでもないね。軽快なアイドルソン…グ?じゃねえな、これ。なんていうんだろう、オレンジとかピンクの水玉模様のような曲です。左耳でチャカポコ言う音はなんだこれ(笑)。ってうわぁ…これドラムとかギターとか全部ニューヨークで録ってんじゃん…!いやーでもこの音の感じ良いなー大好きだなー。なんかちょっと昔、それこそアメリカの街角のラヂオから流れてきそうなそんな感じです。「EYES WITH DELIGHT」にも通ずるかな?それからこれ歌詞がわけわかんなくて最高だよね!!!だってサビが「♪ロ〜マンスに、行こうよ!You Go!(♪トキメク気持ち〜)」ってwwwww完全に歌詞後付けやないですかwwwwwwしかしこの訳のわかんなさがギリギリこの曲をアイドルたらしめていて最高。あらし大好き。(結局)あとさとしさんのフェイクが存分に活かされていて嬉しくなっちゃいます。歌うめーな!

#4「Lai-Lai-Lai

「ROMANCE」からの流れ最強。この徐々にアゲていく感じが憎いぜJスト。どことなくラテンノリの派手派手ソング。キーボードかな)のポロンポロン、と踊るような音とキュッキュッという重すぎないギターの音がこの不敵な曲をこの割と地味めのアルバムと調和させているであろうよ!これ…歌詞…良いよねー。SPIN氏やっぱすごいよねー。「生まれ変わってもこのライトの下へ」「ここが俺達の信じる場所だから」!「敵無し不可能も無し」とはちょっと違うベクトルで不敵!!!すげえかっこいい!!!どことなくエモさが挟まれるところがやっぱ嵐、ですが。キープザ〜はエモくないところが良い(笑)。そういえばこの曲でMステ出てたよねースマが出てたから録ってたよ!生歌でボロボロだった…よ!でもすごいみんなビジュアル良かったよ!!!この頃の翔くんってマジイケメンじゃね!?だってこのアルバムのジャケットもさぁ…(以下略)

#5「Days」

キ、キターーーーーーー!ここからの2曲ですよ、このアルバムのハイライトは。「さーぁ泣け!どんどん泣け!」と言わんばかりの流れですよ!従順に泣かせて頂きます!!!。この曲も、アルバムの最後に入れられたら絶対飛ばすんだけど(あっ)この流れだと聞かざるを得ません。子守唄のようなオケと重めのコーラスが壮大で泣ける。もうこれしか言えない。歌詞のモチーフはありふれたラヴソングです。歌詞も音もベタだけど良いんだよなー…

#6「素晴らしき世界」

この曲については軽く語れないです。嵐十八番のセンチメンタルソングの真骨頂にして集大成、全てが完全にエモーショナル。傑作。聞くべき。虚勢を張っているような強いエレキギターが印象的なミディアム…バラード?じゃないよね、これ。ほんっとこれねー、エレキ入ってくるタイミング完璧だよねー。曲が素晴らしく計算尽くで泣ける上、これは歌詞です。文学的な価値があると思うよ真面目な話。オケがさほど派手ではない分、スルッと歌詞が入ってくるんですよ。ちょっと話は拡大してしまうんだけど、あらしの凄さってそのキラキラで手が届かない存在なのにも関わらず、凄く「普通の人間」に成りきるのが上手いところだと思うのね。自分たちを実像に近づけるのが上手いというか、そういう歌詞を歌ったりする時に必要以上にリアリティを出すのが上手い。「不安な未来とここから伸びる影を追い越すなんて出来ないのに」「朝日の向こうに夢あると信じてた淡い色した日々は過ぎて」、です。これはアイドルが歌う歌詞じゃない。励まされるとか現実逃避とかいう側面も確かにあるんだけど、この人たちの真骨頂はこういう歌を歌って人を自分と向き合わせるところなんじゃないかしら、と思う。だからすごくイタいけど、最終的にはやっぱり勇気付けられてしまうんだなー…。だって「明日も君が君でいられるための涙に祝福を!」って。ねぇ。飾りっ気のない素直なボーカルが刺さる…。あ、あとやっぱり嵐の鉄板電車ネタが!これは…いいよねえ…だって「満員電車に乗って憂鬱の街を駆け抜けてこう」だよ!?なにこれなにこの純文学。この曲に関しては歌詞を書き連ねるだけで良い気がする。(つ歌詞)あ、でもあと一つだけ。終盤、サクラップ(これがまた秀逸。ここで語られる"Everything is gonna be all right"の強さ優しさと言ったら!)→二宮大先生のエモ声大活躍に続く4人のソロリレーがまた!!!!!!!これは傑作!!!!最後のさとしの「♪素晴らしき世界」の抜け感もたまらん!!!!ううん、最後が「これからが素晴らしき世界」という希望の詞で締められるのもとても良いよね…。あー語彙すくねーな私!ちくしょう!みんな聞いて!!!

#7「サクラ咲ケ

うおおおおおこの流れもやっべえええ!!!ミディアムテンポ→ロックって非常にコンサートノリの流れですね。潤くんの「行くぜーーーーぃ!」って声が聞こえてきそうである(笑)。この曲は「素晴らしき世界」に代表される「なりきり型」、普遍的なフツーの人間の心情に立脚したものとは異なるなんというか天使的な視点の曲…かな?たぶんこの2つのキャラが基本的なあらしの持つ側面だと思うんだけど。ピカダボは前者、きっと大丈夫は後者。と思う。違うかな。あ、ソロでずっと繋いでいくのって珍しいですねぇ。声の聞き分けに良いかも。ちなみに私は相葉の「♪バーイバーイ」が大好きです(振り付け込みで)。なんか特に根拠はないけどニコニコしてしまうカラッとした明るさが。オケも軽いぜ!あとこれ!私このサクラップ大好きなのみんな知ってた!?コール&レスポンスここ超楽しいけどみんなよく聞いて、このラップ超よくね!?「打った点が分ける陰と陽」が特に素晴らしいと思います。この人の語彙どうなってんだ。普通こういうベタな応援ソングではもっとベタな言葉選びをした方が良いんじゃないのか。「霞む蜃気楼すら掴む勢い」ってなんだよおおおお!!好きだし!!!(はい負け)

#8「Rain」(vo.大野智

ここからソロですねー。まずはさとし!なんというか、うん、さとし!って感じの打ち込みだぜ!な曲です。90's洋楽っぽいのかなー?こういう曲の表現の仕方が全くわからない。今改めて聞いてるけど案外色んな音がチャカチャカ言ってて面白い。ポロロロン、って激しい雨音っぽくて良いですね。これはもう、さとしのスキルを堪能するための曲だぁね…。そういえば「一人危ない目で走り出す」は最初聞いた時ギョッとしました。斬新だよね…

#9「いつかのSummer」(vo.相葉雅紀

相葉さんのソロ(もしくはフューチャー曲)の系譜はおもしろいなぁ!もしかしてJストの中の人は相葉担なんじゃないかと思うほどの遊ばれっぷりw前作青春ロックだった相葉さん、今作はレゲエ調です。でもなんでも歌いこなしてしまう相葉さんが素敵!!!何やっても相葉色に染まってしまう相葉のゴリゴリアイドル力。相葉が染まってんのか相葉が染めてんのかもはやよくわからない。彼の低音から高音まで、鼻にかかったアイドルヴォイスを心ゆくまで楽しめる一曲です。「♪まったりゆっくり」と歌えるのは世界でこの人だけ。あとサビの「♪こ〜」の音が超相葉力!あっ間奏でいきなりサックスがかっこいい…!でもそのかっこよさも相葉声の魅力に負けてる!すげえな相葉!!!…相葉相葉言い過ぎですいません。

#10「W/ME」(vo.松本潤

キ、キターーーーーーーーーーーーー!!!潤様が遂に開眼なさいました!!!複雑なコーラス、なんだかブンツク言ってるオケが非常にMJ!!!!マイケルジャクソンロクに聞いたことないけど絶対これMJ!!!!かっこよすぎる…!!カラオケで歌っても絶対面白くない、完全「魅せる」ための曲ってのがたまんないよね!!!!「つーか歌詞の出だしが♪裸のままシャツを羽織り夜へ駆け出す〜って、あんた下手したら捕まるよ!」とかいう無粋なツッコミを許さないまつもっさんの凄まじいパワー。素敵すぎます。ちなみに歌詞はカツン「LIPS」を書いたひとと同じです…Axel Gさん、色々大丈夫かな(なんとなく)

#11「秘密」(vo.二宮和也

キタキタキターーーーーーーーー!完全無欠、純然たるアイドルソング。この人はほんとに…(歯軋り)!これを歌い踊る二宮くんを目撃してしまった女子がバッタバタとなぎ倒されることでお馴染みのこの歌。私も最初聞いた時は「ちょ、ニノこんな可愛い歌歌ってんの…!」とCDを貸してくれた友人ちかこに泣きついてしまいました。なんだかほのぼのと幸せな雰囲気が漂うオケに二宮先生の胸キュンキュートヴォイスが重なるとこれはもはや芸術と呼んで良い代物ですよ。とか言いつつドラムとか結構重いな。これは全てのアイドルファンが聞くべき一曲です絶対!!!これを聞かずにアイドルを語るなと!!アイドルがアイドルである為に何が必要か、これを聞いて更にDVDでこれを歌い踊る二宮さんを見ると完全に理解できると思います。あ、これそんなに派手じゃない割に意外と予定調和的な構成になってるのね。面白いなぁ…

#12「夢でいいから」(vo.櫻井翔

キッ………ターーーーーーーーーー!!!(渾身の力で)私これ、私これ大好きで大好きなんです!!!マジ夢でいいから厨!!!全てが素敵だと思う。これだけ5時間はリピれる。爽やかオーガニックに微量の切なさ、これツボすぎる。ホーンがっつり入っててかっこいいしドラムがまた軽やかなのに重くて(矛盾だけど、そんな感じなんすよお!)!初夏の青空のような晴れやかさと極人間的な切なさが共存していてまさに奇跡。声がまた良い!櫻井の上ずった高い声は超エモいぞ!!!!!!気持ち良いオケなんだよなー。まさに「少しずつ地面から浮き上がってゆく」ような。あとこれの最高潮のエモポイントは「♪見〜つけられーるのーおおおお〜」んとこだよね!!!エモ死!いやなんかこんなテンションでこの良さが伝わるかどうかわかんないんですけど…私が好きってことでやっぱ地味なんだけど、ちゃんとオシャレだしちゃんと何がやりたいっていう個性出てるし音も気持ち良いしで結構良いアイドルソングなんじゃないかなと思います。歌詞も「わかりたいけどわからない」っていうお馴染みのモチーフで超良いよね…!

#13「Yes?No?」

そして最後を締めくくるこの曲。このアルバムの最後を飾るに相応しいです!アイドルらしい強さと人間的な弱さがあるもんね。オケも、最後にして予定調和!派手めの打ち込み!曲調も変わるぜ!なプラスチック的アイドル音になっております。これはサクラップからの盛り返しが最強!派手なのに終焉の切なさがあるよね!コンサート終わりな感じの*4。でも次に繋がるぞって感じの。だって「笑ったその瞬間*5をいつまでも忘れずに」だし!名曲やでえ…!!!!!
はい終わり!「風見鶏」はあんまりツッコミどころもなさそうなので割愛しまーす。つ、疲れた…。なんか長いね…。つーか「素晴らしき世界」の素晴らしさを伝えるために体力を使いすぎたwwwwwもっとソロとかぐだぐだ言いたかったのに!「夢でいいからレコーディング中の翔くんのかっこよさが異常!!!!!!!!1」とか。あ、別に聞きたくないですか?そうですか…。
総括的には、やっぱ良いアルバムだよ…ってこれじゃダメか。うーん、アイドルらしさを望む人にはおすすめできないかもしれない。けど、あらしお得意の爽やかさとか切なさとかイタさとか、そういうのに少しでも魅力を感じるならば聞く価値があると思います。逆に言えばなぜあらしがピカンチシリーズだとか黄色い涙だとか、そういう青春を再現する仕事を割り振られているのか、これを聞けば解ると思う。あと生活に根ざす一枚だよねこれ。サラッと聞けるのに、ふとした瞬間ブワーッと世界観が入ってくるというか…そういう経験ができる!ってこういう感覚アイドルには珍しいと思う。普通はこちらから向こうの世界に擦り寄って行かなきゃいけないけど、このアルバムに限っては逆なんですね。梅雨が来る前、五月辺りの淡い季節に聞きたい一枚です。それからソロがほんとに5人とも面白いから、誰か個人に興味のある人は借りるべきだと思うお!つーかこれだけバラバラのソロが入ってるのになんとなく共通の雰囲気があるってすごいな!!!じゃあ終わる!!!

*1:ヲタはずっと見てるから同じ路線に飽きるけど、ヲタじゃないひとからしたらちょっと違うことやると「あれ?イメージと違う」って思われちゃうんだと思う。例えばたきつが今バラードを出したら私はガッカリすると思うし。

*2:これがまた5人が5人自分のしたいことをしまくってとっ散らかってて面白いんですがw

*3:別に韻踏んだんじゃないよ!

*4:実際は始まりに配置されたのかな?ううっOneコンが観たい

*5:と書いて場所と読ませる!