"I was cured all right."

会う人会う人に「ユー絶対好きだから」と言われていたこれ

時計じかけのオレンジ [DVD]

時計じかけのオレンジ [DVD]

をやっと見ました。しかしレンタル屋で借りても期間内に返せない病気はどうにかなりませんかね。必ず1日後に気付くんだよ…バカだね…ってことで駆け足で見ましたよ。うーーーん嫌いじゃないけど!歯がゆいなぁ!!という。
センスはもう当然大好きですよあんなエログロポップで性格悪そうなセンス。しかしどうにもこうにも私はヴァイオレンスが苦手でですね、まぁここでは暴力に対する皮肉としての暴力、という描かれ方をしてるんだろうから特に気にするとこでもなかろうもんなんですが、ちょっと…若気の至り故の何の信念もない快楽のためだけの暴力は幾ら作り物だろうとちょっと苦手ダナーと思うわけで。そして暴力がこんなにスタイリッシュな形で提示されちゃうことにより、この映画が暴力の風刺だ、ということが忘れられてダイレクトに暴力をかっこいいと思う人がいるだろうなぁというのがモヤる点。なまじセンスが良いからねぇ、リンチもレイプもなんとなくスタイリッシュに見えてしまうんですねタチの悪いことに。さすがに同じことするアホはいないとは思うが。んまぁただ単純に私が暴力の描写苦手ってだけです。
しかしほんっとーーーーーーーに趣味は抜群!!!いちいちエグいセンスで良い。大好きです。色の感じ、ちょっとした小道具とかセット、衣装までとてもポップで体に悪そうで大好きであるよ。音楽のセンスも根性曲がりまくってて心から最悪で良い(笑)。根本からアイロニカルな作りになってるんですな。どこ切っても性格悪くてセンスの良い皮肉ばっかり。そういうひねくれ方は嫌いじゃない!人を途轍もない倦怠に追い込むやるせないラストなんかもこの映画のエッジイでアヴァンギャルドで性格悪いとこがよく出てるんじゃないでしょうか。いやー胸クソ悪いね!!!と清々しく言える感じっつーかねw「博士の異常な愛情」もそんな感じだよね。どっちかっつーと博士の〜の方が好きかな。責めるべき対象が比較的わかりやすいので。時計じかけ〜はなまじ主人公のアレックスの一人称で進んで行くから、どこに視点を定めればいいのかわかんなかった。アレックスに同調するには私は暴力への耐性が無さすぎるからね。ま、博士〜も時計じかけ〜もエンドロールと最後の音楽が流れ出した瞬間の「うっわーーーーーー!最悪だーーーーーーー!」と笑い出したくなるくらいの最悪さwは同じようなもんです。理不尽ではないんだけどとにかく最悪、なんかもういっそ気持ち良いくらい胸クソわりいってあの感じ。そんな映画がよく評価されてるよなwwwwいやー昔の人は頭が柔らかいなぁ。あと私はキューブリックが使うフォントが超大好きなのです!2作しか見てないけど、博士〜のスタッフロールの手書き風フォントも超可愛いし時計じかけの丸文字風?なデザインフォントもちょおおおうかっこいいと思う。そういうところのセンスが抜かりなくて素敵ね。そんでもって中身がまさに「ナイトメア・コメディ」。このバランス感凄まじい。博士の異常な愛情もっかい見たいなぁ。