「おれは神を探している!」

何ダイアリだかよくわかりませんが今日ゼミで配られたプリントの文章がえらいかっこよかったのでちょっとみんな読んでこれ超かっこいい…!って気持ちで引用します。久々にガッツンと来たわあ。

「神がどこへ行ったかって?」、と彼は叫んだ、「おれがお前たちに言ってやる!おれたちが神を殺したのだ――お前たちとおれがだ!おれたちはみな神の殺害者なのだ!だが、どうしてそんなことをやったのか?どうしておれたちは海を飲みほすことができたんだ?地平線をのこらず拭い去る海綿を誰がおれたちに与えたのか?この地球を太陽から切り離すようなことを何かおれたちはやったのか?地球は今どっちへ動いているのだ?おれたちは絶えず突き進んでいるのではないか?それも後方へなのか、側方へなのか、前方へなのか、四方八方へなのか?上方と下方がまだあるのか?おれたちは無限の虚無の中を彷徨するように、さ迷ってゆくのではないか?寂寞とした虚空がおれたちに息を吹きつけてくるのではないか?いよいよ冷たくなっていくのでないか?たえず夜が、ますます深い夜がやってくるのでないか?白昼に提燈をつけなければならないのでないか?神を埋葬する墓掘人たちのざわめきがまだ何も聞こえてこないか?神の腐る臭いがまだ何もしてこまいか?――神だって腐るのだ!神は死んだ!神は死んだままだ!それも、おれたちが神を殺したのだ!殺害者中の殺害者であるおれたちは、どうやって自分を慰めたらいいのだ?世界がこれまでに所有していた最も神聖なもの最も強力なもの、それがおれたちの刃で血まみれになって死んだのだ、――おれたちが浴びたこの血を誰が拭いとってくれるのだ?どんな水でおれたちは体を洗い浄めたらいいのだ?どんな贖罪の式典を、どんな聖なる奏楽を、おれたちは案出しなければならなくなるだろうか?こうした所業の偉大さは、おれたちの手にあまるものではないのか?それをやれるだけの資格があるとされるには、おれたち自身が神々とならなければならないのではないか?これよりも偉大な所業はいまだかつてなかった――そしておれたちのあとに生まれてくるかぎりの者たちは、この所業のおかげで、これまであったどんな歴史よりも一段と高い歴史に踏み込むのだ!」
ニーチェ『悦ばしき知識』第三書

ここだけ切り取るとただの無神論者みたいですけど別にニーチェ無神論者じゃないのね。まぁ含有されている思想はともかくだな、文体が好みすぎて猛るよこれは!!!グッと胸に迫る迫力のいかつい文章が大好きです。ミシマとかね、大好きです。ナヨッとしてるよりパンクス風な文章が好き。はあああしかしこれかっこいいなああああ。こんな文章書きたいなぁ。感傷に浸らずに人を感傷に浸らせる文章が書きたいんですけど難しいね。ニーチェは全く詩人であることよ。余りにインパクトの強い言葉を残しすぎて思想が曲解されがちなのがまた切ない。しかしこれどこ出典なんだろ…プリントにはタイトルしか出てないー。ゼミのテキストがちくま学芸文庫だからそれかな。つーかこれ訳が天才的ですね!!!すげえなー!!!ちなみに今ゼミで使ってるのはこれ。

ニーチェ全集〈6〉人間的、あまりに人間的 2 (ちくま学芸文庫)

ニーチェ全集〈6〉人間的、あまりに人間的 2 (ちくま学芸文庫)

事前知識がないとぜーんぜんわかんない。けどひとつ取っ掛かりがあると「ああ、そうか!」ってなもんで。