LOVE IS ALL I NEED
諸事情で久々に読んだらやっぱり最高だなあと思ったので転載。この序文全体が私の座右の銘ですね、もはや。
愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。僕は世界中の全ての人たちが好きだ。名前を知ってる人、知らない人、これから知ることになる人、これからも知らずに終わる人、そういう人たちを皆愛している。なぜならうまくすれば僕とそういう人たちはとても仲良くなれるし、そういう可能性があるということで、僕にとっては皆を愛するに十分なのだ。世界の全ての人々、皆の持つ僕との違いなんてもちろん僕はかまわない。人は皆違って当然だ。皆の欠点や失策や間違いについてすら僕は別にどうでもいい。何かの偶然で知り合いになれる、ひょっとしたら友達になれる、もしかすると、お互いにとても大事な存在になれる、そういう可能性があるということで、僕は僕以外の人全員のことが好きなのだ。一人一人、知り合えばさらに、個別に愛することができる。僕達はたまたまお互いのことを知らないけれど、知り合ったら、うまくすれば、もしかすると、さらに深く強く愛し合えるのだ。僕はだから、皆のために祈る。祈りはそのまま、愛なのだ。
- 作者: 舞城王太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/08/07
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あと余談。愛について論じた中で最近一番おおっと思ったやつを。舞城イズムと通ずるかもしらんね。
愛と二元性。――いったい愛とは、もうひとりの人がわれわれとは違った仕方で、また反対の仕方で生き、働き、感じていることを理解し、またそれを喜ぶこと以外の何であろうか?愛がこうした対立のあいだを喜びの感情によって架橋せんがためには、愛はこの対立を除去しても、また否定してもならない。――自愛すらも、一個の人格のなかに、混じがたい二元性(あるいは多元性)を前提として含むのだ。
私と貴方の違いを、それが違うからという理由で愛するという境地。難しいね。
ニーチェ全集〈6〉人間的、あまりに人間的 2 (ちくま学芸文庫)
- 作者: フリードリッヒニーチェ,Friedrich Nietzsche,中島義生
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