Stay on the scene, like a lovin'machine

見せて頂きました。

演技者。(6)(初回限定版) [DVD]

演技者。(6)(初回限定版) [DVD]

「マシーン日記」主演森田剛、原作松尾スズキ。とんでもない話だこりゃ。なんなんだよこれ。「演技者。」関連に触れる度に思いますが、この一連の仕事を経てきたタレ本人とヲタってなんて幸せなんだろうな…!こんなえげつねえクオリティのものに身近に接するなんて。いやーーーー私はこういう演劇人の狂気にはあまり耐性がないので終始ドキドキしっぱなしで、見終わった今もなんだか頭ぐらぐらして吐きそうなほどのアドレナリン出てる。全てが狂気の世界がすぐ目の前にあるかのように描かれると引き込まれてしまいそうになるね。ほんっとにねえ…凄かったなあ……。オズの魔法使いの件なんかこの作品の狂気とファンタジー性と可愛らしさがいい塩梅で描かれておって思わず息を呑みました。とっても面白くて(という言葉で表現すること自体が不謹慎ではあるが)正直とても好みなんだけど、もう一生見返さずにタンスの奥に押し込めて隠しておきたくなるwそういう点で欲望とか煩悩みたいな、理性の下に隠しておかなきゃいけないものと同じなんだろな。生臭くてある種愛おしくはあるんだけれど、確実にタヴーである要素ね。私の土壌はもう確実に文学>>>>映像系です。そんで文学ってこういうテーマをわりと「芸術」っぽくしがちじゃないですか。私はそういう日本人の美しいオブラートに好感を持ってたりするわけですが、けどこういう映像系のやつって本能に訴えかける演出をしてるからすんげえショックがでかいのね。味わうとか呑気に言ってる問題じゃねえなって体感しました。んで私がいわゆる小劇場、舞台系の作品にある種の苦手意識を持っているのはたぶんそういうショック療法とも言えるダイレクトな表現方法に恐怖を感じるからかなぁとも思う。やっぱりアイデンティティクライシスは怖い。本なら閉じればいいけど、目の前で起こることを拒絶できないっていうのは私にとって結構おおごとです。
そんで森田さん。なんだあの怪物…。美人ですもちろん、そしてつなぎも鬼似合ってます、足首に鎖もサイッッッコウ。けど萌えるとかいう次元でこれは語れないwww萌えたけど、萌えたけど!けどそういう話じゃないんだよ!萌えとかいう平和な感情で語っていい作品じゃないような気がするこれ…。ううう、超素敵だった。狂気の芝居が上手いって本当に凄いと思う。余りに最高で萌えて狂ってたので怖くなってただヴイがキャッキャしてるだけの映像が見たくなったくらい森田さんは素晴らしいw。あと森田さんとセックスという単語はとてもいいですね。なんていうんだろなあ、根源的な「生」としてのセックスの表現がすんごい上手いなと思いました。ただのお気楽な快楽としてのセックスを描ける人はまぁ事務所にも居るでしょうが(あかにしさんとかあかにしさんとか←だがそれがいい)、人間という生物の根源的な欲って意味でのセックスを切実に描写できるのは森田さんしかいねーだろなーと思う。むせ返るほどの感情を、勢いに任せて爆発させるんじゃなくて「うぜーめんどくせー」の中に滲ませられるって才能じゃないのかしらん。もっと舞台とか出ればいいのにー。…あーなんか疲れた…。