一本の木にも流れている血がある そこでは血は立ったまま眠っている

J家の人々

本日「血は立ったまま眠っている」昼の回を観賞して参りましたー。初蜷川！とか森田の演技仕事ヤッホー！とか細々とした話はたくさんあるんですが、とりあえずネタバレに行く前に叫ばせてくれ。 窪 塚 洋 介 ビ ジ ュ ア ル 復 活 記 念 a g e ！！！！！ と！！！出てきた瞬間ド肝抜かれました。完全にノーマーク。むしろ数年間存在を忘れていた。度重なる奇行が重なって完全に忘れてました、この人がいわゆるひとつの「美人」であることを…そして、なんと！この2010年！往年の、的確に言えば「ストロベリー・オンザ・ショートケーキ」の鬼萌えキャラ*1のビジュアルに限りなく近づいているのです！！！窪塚のポテンシャルが怖い！！！！！いやもうほんと顔ちっさいわ一分の隙もないパーフェクトスタイルだわ色気あるわで夢中になってしまいました。独特の演技ｗもこの舞台には合っててよかったわーいやもうほんとにね、横顔もまーーーお美しくてね。ちょっと今こそ窪塚をどんどん使っていくべきなんじゃねーのと思いました奇行は心配ですが。そんな感じで窪塚ゆんゆんしながらパンフを見せて貰ったら稽古ショットの私服がピースなバイブスでハッピーな感じだったのですげえ勢いで我に返ったよね！けど舞台の窪塚は推せすぎる。田口と一緒に「ステージ上の姿はマジで推せる」枠に放り込んでおこうと思います（勝手に）。どうでもいいけど私の窪塚イチオシ仕事は映画「溺れる魚」です。女装だよ。以下普通の舞台感想ネタバレ？ありです。
話としてはですねー、うーん思った以上に精神的な話ではなかったなというのが。観終わったあともっと「死にたい…」みたいなテンションになる舞台かと勝手に思っていたのですがｗ意外にも私はすっきりしましたわー。話自体がナンセンスだったからでしょうか。もちろんいい意味でね。ナンセンスを意図したナンセンス…ナンセンスを描いた舞台なのかな？って途中から気付いて、そしたらすごく解釈がラクになった。思わせぶりな表現はすっごいいっぱいあったけど、別に深い意味も込められてないような気がするぞｗだって思い出してみても特になんも起こってないしなそりゃ人は死んでおるけれど。けどそれが世界を劇的に革命するところは描かれてないってことは、結局人間の生き死にとか活動なんてその程度だよっていうニヒリズムがあるように思えるのだな。そこが良かった。人生訓みたいなのをお説教されるよりもナンセンスでアヴァンギャルドで森田と窪塚が美しいｗというだけで、逆説的ですが意味のある舞台なのかなと思ったよ。私はあんな感じの色彩とか時代設定とか愚劣でどうしようもない人間の描かれ方が大ッッ好きだったので楽しく観られましたが、あのセンスにしっくりこなかったらただただひたすら意味のわからん舞台だとは思うｗそういう意味でシーラブとは正反対の観る人を選ぶ舞台ですなー。楽しめてよかった。
つーかやっぱり寺山修司ってことで、表現が全て詩的なんですわな。私がこの舞台にナンセンスってラベルを貼って簡単に納得することができたのも、私が詩という言語表現を全く解せない類の人間だからかもしれません。詩はわからん。故に全てが詩で説明される舞台なんてわかるはずがないのです。ただし理解と感性はまるで別の次元で存在するもんで、理解はできなかったけど感覚的に心地良い言語センスだな〜聞いててしっくり来るな〜って思えたのは幸せでした。リズムがあったからすっと入ってきた。重ね重ね意味はわからんかったけどｗ
なんか森田のことを全然書いてないのは窪塚を主に見てたっていうのも正直あるんだけど（いやまじで…そんくらい凄かったんだ…）、なんかなー。一番フツーの人間に描かれてたような気がして特筆するところがないｗもちろん周りが狂人…とまでは行かないものの、かなり底辺な人間の集まりなので「普通」はすごく褒め言葉なわけですが。17歳らしく指導者に純粋に憧れ、姉を純粋に慕い、夢の為にころっとだまされ、苦悩しながら最後には結局生き延びる。すごく普通。けれど私は一番幸せなのは結果的に彼だと思います。憧れの指導者が死に（たぶん）、慕っていた姉を手違いで殺してしまったことでこれから凄く重い苦悩を背負うかもしれない、けれど、彼は生きている。なんていうかそれだけで彼はある意味勝ちなんじゃないかなぁと思ったり思わなかったりです…うーん正直話の筋があんまり思い出せないのでなんとも言えないｗ少年らしく、そして一番普通でマトモだったからこその苦悩を背負うことになったんだけど、けどその苦悩ってその他の登場人物が抱えてる狂気よりはずっとずっとマシなものだと思うんだなー。
まぁこればっかりはホント解釈の問題なんで、このくらいにしておきまーす。とにかく窪塚が素晴らしかったことだけ伝えたいエントリだよ！伝わった☆カナ！！！

*1:先生に片思いする余り高校をダブる金持ち役（だった気がする）