ここから始まる新たなストーリー生まれる/嵐『Popcorn』

俺たちのJストが帰ってきたあああああ……かも!
久々にあらしの新譜を買いました。『Popcorn』、70万枚売れるに相応しい…というか、このご時世70万枚売れるアルバムがこういう丁寧な名盤で良かった。

Popcorn(通常仕様盤)

Popcorn(通常仕様盤)

曲目が出た時点で期待しかできない、その期待が上手く掬い上げられることがこんなに嬉しいとは。そもそも1曲目「Welcome to our party」でグッとくる。そうだよなぁ、嵐は「our」が要るよなぁ、と思うワケですよ。「Make you happy, 君を待っていたんだよ/幸せになるためのIt's a party time」これがあらしの魅力、ひいては今「売れて」いる秘訣の全てなんだろうきっと。連れていくじゃなくて君たちを待っている、っていうのが嵐らしい。きっと彼らはこういう温かい親近感を突き通してここまで売れた。比類なき個性であり魅力だと思います。で!で!かーらーのー「駆け抜けろ!」「ワイルドアットハート」「Face Down」「We wanna funk, we need a funk」な!いやもう何を隠そうこの流れが好きすぎる。2008年くらいを境に死んだと思われたJストの「黒い」音の残滓がある!タイトル通り「pop」を追求したキャッチーさと個人的棺桶に入れる決定盤『ARASHIC』に象徴される「黒い」音の融和点はここか!と感慨深いことしきりです。突き抜ける青空のような「駆け抜けろ!」から派手なホーンセッションに彩られた丁寧な名ファンクポップチューン「ワイルドアットハート」(これ間奏とアウトロが死ぬほどかっこいい)、一転してミステリアスな「Face Down」、そんで満を持しての松本ソロ「We wanna funk, we need a funk」。シングル2曲を含んでなおこの緩急、統一感ですよ。いやーーー松本ソロかーーーっこいいねーーーー。ドファンクなんだけどやっぱりすごくポップで、どちらかと言えばポップのファンク解釈と言った方がしっくりくるかもしれない。渋さと派手さのバランスが最高すぎる。メロディ自体は渋いんだけどアレンジが細かくて小技効いてるのかなー。2番のうにょうにょ唸るベースに痺れないわけがない。この1枚の遊び心というか、音楽的な意味でのキモがこの流れに集約されているような気がして!というかそうであってほしいんだけど!私はすごく嬉しいです!
で、もう一つ言及せざるをえない相葉ソロ「楽園」。この人ほんとソロで外さないね!?どんなテイストを持ってこられても自分の曲にしてしまう相葉さんのアイドルの才能は十分に知っていたつもりだけど改めて感涙。タイトルを大きく裏切る疾走感溢れるキラキラ曲でたまりません。これまたいわゆるジャニーズ的な意味でのキラキラじゃないのが逆に良いんだよねええええ。さながらピチカートファイヴ「大都会交響曲」の如きときめきとときめきとファンタジー、ひとさじのセンチメンタル。語弊を恐れずに言わせてもらおう、これがアイドルの生み出すサブカルであると!w これバンドオンリーじゃなくてストリングスとかピアノ入ってんのずるいだろ!サビまでチャカチャカいろんな音が遊園地みたいに煌めいて、サビでそれらが一つの方向を向いて一気に駆け上がるような展開が美しすぎる。もうこれストリングス入れたの大正解でしょうがーー!そうでなくても相葉さんの泣き声にも似た鼻声、ハッピー一辺倒と思われる歌詞に隠されたエモ要素*1が良い塩梅のセンチメンタルを演出しているというのに、ストリングスが入ることによって走り気味のリズムに焦燥感の色が乗るのが良い。まぁぐだぐだ言ったけどひとことで言えばエモいです。すごくエモいです。相葉さんはハッピーの裏に滲むセンチメンタルを表現するのが本当に上手い、本人別に意識してるわけじゃないだろうけどw また「楽園」を探すという趣旨のこの曲のあとに「旅は続くよ/汗かいて汚れて/泥だらけでも笑うんだ」「苦い旅も味わうんだ」「肩を組んで共に歩くのさ」っていう「旅は続くよ」に繋がるのがずるい。こんなん勝手にドラマを作り上げて泣くしかないw
もちろんこれ以外にも渋かったりエモかったり二宮……!*2だったりリア充……!*3だったり、緩急や曲の配置がすごく上手いアルバムだなぁと思います。もちろん曲の作りはどれも丁寧で。こういう細かいところが丁寧に作られたものを今の嵐がやることですごく贅沢なものに聞こえるんだよねぇ。こういうアルバムを出してくれて本当に良かった。あらし担ではなく一ファンとして嬉しいです。この1枚がここ3〜4年ご無沙汰だった俺たちのJスト復興のとっかかりになるといいな…。待ってたよJストーム!!そしてこれから先も待ってるよ!!

*1:「どうして時間は過ぎてくの/このままもっといさせてよ」「遊び疲れ僕ら/言葉はもういらない」!

*2:二宮ソロ「それはやっぱり君でした」←もうこれタイトルから喚起されるものを全く裏切らない

*3:櫻井ソロ「Fly on Friday」←タイトルから喚起されるものを(ry